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遺伝性腫瘍協議会設立準備会の発足にあたって

遺伝性腫瘍協議会設立準備会 発起人代表
埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科/ゲノム診療科 教授
石田秀行

悪性腫瘍の5~10%は原因遺伝子が明らかな遺伝性腫瘍であることが知られています.遺伝性腫瘍は散発性(非遺伝性)腫瘍と異なり,若年発症,多臓器発がん,家族内発症などの特徴があります.したがって,遺伝性腫瘍の診療においては,がん罹患者の適切な診断・治療,生涯を通じた発がんに対するサーベイランスのほか,原因遺伝子異常を有する未発症血縁者に対する予防医療を含めたマネージメントが必要です.

2019 年からわが国で実装されている包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査の過程で遺伝性腫瘍が診断されることがありますが,現在海外で汎用されている多遺伝子パネル検査を用いた遺伝性腫瘍の診断はいまだに保険収載されていません.遺伝性腫瘍の罹患者および未発症原因遺伝子保持者に対するわが国の医療体制を適切・迅速に整備するには,産官学の協力体制が必須となります.このたび,岡山大学大学院 平沢 晃教授を代表とし,遺伝性腫瘍協議会設立準備会を発足させました.本準備会を経て,わが国の遺伝性腫瘍の診療体制の整備・発展に関し,継続的な支援を行う体制を構築する所存です.関係各位におかれましては,本準備会の趣旨をご理解いただき,何卒ご支援賜りますよう,お願い申し上げます.

                               2023年12月吉日

遺伝とがんについて知ろう 石田秀行
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